2021年心に残ったアニメを話数単位で。
ウマ娘プリティーダービー Season2 第10R「何度負けても」
ウマ娘の年だった気もする。いろいろなところで言及されているが、史実ベースでありながらキャラクター同士の関係などとても強い物語だった。
トウカイテイオーあたりの話を、リアルタイムでは認識していなかったけれど、アニメの形にされて競バを通じて競馬のスポーツの側面に気づいた気がする。
オッドタクシー エピソード4「田中革命」
3話のカポエラでだいぶ話に引き込まれていた。それまで対話シーンを面白くは思っていたけど、見方がよくわかっていなかった。
カポエラのあたりで初めて「漫才っぽいな」と思ってあらためて調べてみたら、脚本にしてもキャラクターの声にしてもお笑いの流れがあることに気づいた。
調べるほど興味深いなーと思っていたところに、4話がきてしびれた。
惜しむらくは、youtubeの仕掛けに最終話後に気づいた点である。
かげきしょうじょ!! 第八幕「薫の夏」
1クールや2クールのアニメでは、サイドエピソードの中に時々とんでもない短編が混じることがある。これがそれ。
最果てのパラディン 第2話「彷徨の賢者」
あとで出る無職転生とはまったく別方向に丁寧。
1クール12話のうち、3話に盛り上がりを用意する(いやいや、今どきは1話だよ)なんて議論とは無縁のように、主人公が冒険に出たのは5話が終わったところ。なんとまあ。
2話は、通過儀礼としての洞穴探検と、育ての親の一人であるガスの目。
なんとなく、自分が子供のころに見ていた、大人の世界の目線を感じる作品だ。
どうやらまだ来年以降も続くようなのでじっくり見ていきたい。
スーパーカブ 第1話「ないないの女の子」
バイクに乗りたくなった。小熊がアナーキーなようにも無頼なようにも感じるし、中二病のような背伸びも感じた。
レトルトの食事をとる、一人暮らしの女子高生の図が、ドビュッシー「月の光」にすごくマッチしていた。
後半に行くにつれ、付き合っていられないほどの無茶を感じたけれど、それでも1話は本当に美しかった。
無職転生 第16話「親子げんか」
期待にたがわぬクオリティ。
原作を読んだのは数年前なのでもう細かいところを忘れてしまったところもあったが、世界観は丁寧な描写、キャラクターも魅力。演出も美しいし、戦闘シーンなどの迫力もすごい。
壮大な原作すべてをアニメ化するとなると、時間がいくらあっても足りなさそうだが、どうしていくんじゃろ。
話の展開は、緊張と弛緩が次々来る。特に、何かに間違えたときの空気感にすごくおぼえがある、居心地の悪いファンタジーである。
調子に乗って怒られるのは11話や16話あたりに出てきていて最高に緊張が強かった16話を挙げたい。
やくならマグカップも二番窯 第9話「澄んだ秋空の向こうに」
丁寧な作品だった。心の動きに対する誠実さ、キャラクターたちの心の動きに(例外もあれど)肩ひじ張っていない等身大に感じる。
二番窯の9話は、先輩の話を通じてプレッシャーに気づかされる流れが心に残った。
「話数単位で選ぶ、2021年TVアニメ10選」をやろうと思ったのだが、最近忙しいせいなのか心に余裕がないせいなのか、細かい心の動きを追わずにプロットだけ追っていることがたびたびある気がしている。感性の摩耗である。
キャラクターや話自体にそこまで興味をそそられないのに、話のオチを確認するために、あまり心躍らないと思っても見続けて最終的にながら見になってしまうこともあり、こんな調子で10選を選ぶことを、自分としては認められなかったので単なるまとめ記事として挙げる。
だんだん自分の中で、発表をするようなことに対するハードルが上がっている気がしている。クオリティは大事だが、そうして表現を止めるよりは少しずつでも表明していくほうが良かろうという判断もある。
自分好みの作品はだいたい1話目の時点で強烈に感じ入るものがある……ことが多いが、途中から風向きが変わってめちゃくちゃにハマる例外もやはりあるので、結局は見続ける必要があり無限に時間が欲しいと思うことがある。
ひとまずは、アンテナのほうがさび付いてしまっては入ってくるものも入ってこないだろうということで、毎日の仕事、睡眠、運動、食事といった基本的な生活をやっていくことがなによりも重要になっていくのだろうなと思った。
アニメーションを取り巻く状況がだいぶ変化している。
一時は中国が日本のコンテンツを置き去りにして独歩で進んでいくのかと思わされたがコンテンツへの締め付けが強まっていったためにその道はだいぶ後退したように見える。
Netflixが日本の市場を席巻するかも?とも思ったが、現場に金が回る仕組みが成立しているようにも感じない。
一方で、アニメコンテンツの売り上げは増加しており、いったいどう転んでいくのか興味は尽きない。