話数単位で選ぶ、2019年TVアニメ10選
- 2019年1月1日から12月31日までに放送されたTVアニメ(再放送を除く)から10選定。
- 1作品あたり1話
- 順位はなし
なお、タイトルあいうえお順
投稿日が12/29なので実質そこまで
新米小僧さん、お疲れさまでした。 私はここ5年の参加なので古参とも新参とも言えぬ中途半端な関わり方ですが、アニメを見て感想を書くようになったのは確実にこの企画のおかげと思います。
01.アズールレーン 第8話【交錯】抱きしめて離さない
海や空、影、光の要素が綺麗な作品だった。 そのなかで、作画担当の人が炎上した8話を挙げる。 炎上自体は本筋ではない。個人的にはクリエイターに完璧な人格を求める気もない、あるいは求めるべきでもない、文脈を読んで納得する部分もある。とはいえ人前で言うことでもないだろう、というスタンスである。
アズールレーンに参加したアニメーター「どこまで手を抜けるかを追及した」 - Togetterあんまり口に出すことではないけど、それはそれ、作品は作品。手抜きとは言うけど全体を見れば、最後のシーンのために他を削っているのはむしろ効果的な演出として機能しててすごい作画のように思ったよ。
2019/12/01 13:08
アニメは工業作品でありながら、芸術作品の側面もある。自分は、あの作画には感銘を受けた方である。 2019年にあれだけの作画をこなすのは天才の仕事だろう。 あの炎上の結末までは見ていないし追うべきでもないと思っているが、あれだけソリッドな絵と、豪快な動きを限られたリソースで表現しきったのはちゃんと来期になっても評価されると思うよ、私は。
02.W'z 第10話「DUDDY bUDDY riDe 《ダディ・バディ・ライド》」
正直なところ単体での面白さと言うより、ハンドシェイカーからの要素やその差分を高く評価している気がする。 ハンドシェイカーとくらべて、画面の構図や色合いにこなれたところがあるが、それでもしっかりと差別化できているアートスタイル。 格好いい大阪の街、前作よりも前面に出ているおしゃれな音楽も面白みのある要素。 前作での因縁が10年経ったことで、キャラクターの成長がいろんなところで垣間見えるが、 特に前作で突っ込みがちだったキャラクターに老獪さのようなものが見えてにやりとしてしまった10話を挙げたい。 お話は結構込み入っているので絵的にも話的にもちょっと疲れる作品のように思い、万人に勧められるものではなさそう。
公式サイトを見るとW'zは女性人気が高いのだろうか。
03.炎炎ノ消防隊 8話「焔の蟲」
環の演技も、絵も。全体の中で浮いてるというところもあるがラストの環の表情は何度も見直してしまう。
04.彼方のアストラ 第1話「PLANET CAMP」
自分がSFに対して評価が甘いことは知っている。それを抜いてもやはり面白かったと言える作品なんじゃないか。 宇宙で子供たちだけという空間が、十五少年漂流記などのジュブナイルの定番だし、11人いる!などのオマージュもある。序盤から散りばめられた不穏な空気も海法紀光だなぁ、と感じられるのもよい。 解決(というか改心)は強引にも思えるけど、それでも良いのだと思った。彼らの決断を認めたいと思ったのである。 アニメのオリジナル要素も良かったし、一話二話のスペシャル放送感、また1クールで完結する潔さも良かった。
右腕でつないだ縁という1話から最終話までの流れは、かっちりと話が収まった要素であった。強引な論理もあるが、それは正直なところどうでもいい。アニメでも原作でも言及していたとおり「曖昧でいいんすよSFアニメとギャグアニメ」という感じだ。
— micromillion (@MicrMilli) September 19, 2019
アニメオリジナル要素を高く評価して1話を挙げる。
05.ケムリクサ 第11話
物語の情報の出し方、場面あたりの情報濃度、緩急、あるいはそのコントロールが抜群に上手い。 毎回毎回振り返ってみるとほんの少し冒険が進んだだけでしかないのに、背景にある絵などから状況を察することができてしまう。 多くの人と一致するであろう11話を挙げる。やはりEDの仕掛けだろう。強い引きも、クライマックスへのつながりも完璧だった。 りりの決断が、あるいは勇気が、自分の中で大きく大きく刺さっている。たった11話ED前の数十秒だけでもぐっと来るところがあった。
06.荒野のコトブキ飛行隊 第8話「大飛行船強盗」
SHIROBAKOに出てくる「第三少女飛行隊」がモデルか?という意見を読んでニヤリとしながらも本放送時にはスルー。秋の再放送で見て驚いた。
荒野のコトブキ飛行隊、再放送しているから見るか、と録画していたものを見始めたがこりゃ後悔があるな。なぜ当時見なかったのか。1話のドッグファイトすごいじゃん。ほぼセリフなしで緊張感、緊迫感を維持できるのがすごい。
— micromillion (@MicrMilli) October 30, 2019
あまり語りたがらない作風で、骨太。ガルパンもそうだけど、もっと航空機について前提になる知識を必要としている気がする。 自分は詳しくないが、西部劇のオマージュが多いのだろうと感じた。
6話の遭難回も内省が美しく、ヨーロッパの映画でたまに見るような描かれかたで捨てがたかったが、8話を挙げたい。ガンカタがきっちり仕上がっているので目を奪われた。 2018年はプリンセスプリンシパルのちせ殿の剣戟に目を奪われ、今年はガンカタ。 やはりアニメーションは動いてなんぼと感じた(よく書いている通り動かさないことで得られる効果もそれはそれで好き) 主要キャラクターが3D CG、モブが手描きだったりするので、アニメ業界のコスト構造変化を考えてしまう。
07.川柳少女 第10話「七々子と蛍と肝試し」
ホラー回。たぶんタイミング含めてなにかホラー映画を参考にしているのではないか?というくらい完璧に引き込まれる。 他の話数では2話、11話あたりがよい。
川柳少女、ホラー回すごいな。トンネル内の花買タオが振り返る前後のシーンは間が完璧。完璧にホラーのタイミングだ。なんか参考にした映画でもあるんじゃないか?というくらい。
— micromillion (@MicrMilli) June 8, 2019
08.ぱすてるメモリーズ 第2話「ご注文は?と言われても……」
ごちうな。
創作物世界のキャラクターが「私達の世界は、思い出と変わらない姿でいつまでも待っています。 だから、会いたいと思ったときに会えなくならないようにウイルスから世界を守ってください」と言っていたことで この物語が目指す結論に興味を持っていたのだが、 配信がなくなってしまった(BDは修正の結果どうなったか調査をしていない)ためにまったく説得力を失ってしまった。 それがあったからこそ自分の記憶に残ったのでありなんとも皮肉なことだけれど。
09.ぼくたちは勉強ができない 第13話「天才の目に天の光はすべて[X]である」
古橋周りのエピソードが自分のツボだらけなのでずるい(?)。「天の光はすべて星」のもじりであるタイトル、 天体というエピソードも、本人は自分の気持ちに対して無自覚なままというのも。 OPもEDも一期は二期よりキャッチーで気合いが入っている気がするのも毎週を楽しんでいたポイントかもしれない。 二期の11話も選ぼうとしたが、星空を二回も使うなんてずるい(?)ので。
僕たちは勉強ができない2期10話、自分のツボの偏りを感じるのだが、とてもよかった。自分は星に対する興味をそんなに持ってないはずなんだけどなんでなんだろ。(本紙追ってないけど)これで文乃エンドじゃなかったら暴動起こす←自分で文乃エンドの同人誌を描くの意
— micromillion (@MicrMilli) December 8, 2019
アニメの最終話は一応はうるかエンドだったらしく、またそれで一部で盛り上がっているらしい。 個人的には明に言い切らず将来に託す匂わせの範囲だと思ったが、唐突感も感じるし、本誌での結末ではうるかエンドが潰えた可能性とも感じる(本誌は追っていない)。 アニメ版の落としどころといえばこんなものかもしれない。
10.星合の空 第2話
星合の空2話、基本フォーム確認の動きから素振りの癖まででやべぇなと思っていたらEDのダンスで度肝を抜かれた。描き分けはここまでやるのか。性格も運動能力も見えるよいEDだった。物語の本筋の方は不穏感が残りつつまだ種まき段階なので保留。
— micromillion (@MicrMilli) October 23, 2019
ちょうどこれを投稿したタイミングで、EDのダンスが無許可トレスだったことで炎上しつつあることに気づかずに書いてしまったやつ。 話自体は、個人的には好きではない。あまりに問題のある家庭だらけで、それらに対して、ほとんどやり過ごすだけに感じている。 立ち向かうシーンもあるが、そのとき問題になってるキャラクターが己を奮い立たせて立ち向かっているわけではない。中学生にできることなんて多くない。立ち向かい克己すること自体が夢で幻想で、本作はむしろリアリティがあるとも言えよう。
むしろつらさの真ん中にいる人たちに対しては、やり過ごすことの重要さも分かる。しかし、それが面白さとして受け取れるかは別だ、とは思った。 話の展開が自分の好みではないというだけで、たぶんこのアニメに救われる人もたくさんいるだろうとは感じる。
ソフトテニスの動きをあれだけ丁寧に描いてやばいと思わせたさらにその上があったのはほんとうに驚いた。 あの高揚感は間違いなく感動だった。
最終話が打ち切りエンドだったのがまたこの……。 続きがアニメなのか別の形なのか出てくれるとうれしいが。
今年はどうにも炎上に絡んだものを挙げてしまった10作品という気がする。 また、全話を見て気に入った作品の、好きになったきっかけの回を挙げることが多いということもわかってきた。 以下は選考に挙がった作品。 話数はとりあえず指定しない。
- ダンベル何キロ持てる? OPもEDもかっこいいしかわいい。全編安定しているのもよかった。キャラクターの体型の描き分けがすごいし、SDキャラでも描き分けられているのでなおすごい。どれを挙げても全然かまわないハイレベル安定。強く引っかかる1がなかったので1話挙げるのが難しく、今回の趣旨からは見送りとした。
- Dr.STONE 科学の徒であったため、やはり採用したいところもありつつ、ダンベルと同じく
- 8月のシンデレラナイン 面白かったが、私が深く咀嚼するまで(したくなるような?)のフックが足りなかった。昨年の刀使の巫女でも感じたが、自分は深く咀嚼するにいたるためのフックが必要なようで、なんとなく年々そのハードルが上がっているような気もする。それは加齢によるものかもしれないし、忙しさに取り紛れて微小な変化に気づけなくなっているからかもしれない。
- Re:ステージ! ドリームデイズ♪ 面白かったが、ハチナイと同じ。
- 私に天使が舞い降りた! かわいいよね、乃愛ちゃん。
- KING OF PRISM -Shiny Seven Stars- 「天然ガスが出たぁ!」でやられた。「沈まぬ太陽」のような政治がらみのストーリーはなかなか見ないことも心に残った理由である。
- 私、能力は平均値って言ったよね! 佳作。コストがかかっていないけれど、そのリソース配分が秀逸。絵にしろシナリオにしろ、見せ所の配置が上手い。絵の使い回しもそれ自体ギャグっぽく写るのでよい。
- ソウナンですか? 作品がやりたいことに対する真摯さを感じた。最終話の下品なネタも、生きるうえではしょうがないところなのかもしれない。品性では片付けられないところがあるのだろう。
- 明治東亰恋伽
- 約束のネバーランド
- コップクラフト
- 女子高生の無駄づかい
- ロード・エルメロイII世の事件簿 -魔眼蒐集列車 Grace note-
- 八十亀ちゃんかんさつにっき
- 荒ぶる季節の乙女どもよ。
- どろろ
- 歌舞伎町シャーロック